日本ではまだまだ転職が一般的でないので「キャリア」について相談できる人を見つけるのは難しいのが現状です。私の親は終身雇用の企業で定年を迎えたため「キャリアプラン」の相談をできる状況ではありませんでした。そこで、私が頼りにしていたのが転職エージェントです。
転職エージェントの中ではすぐに転職をさせようとするエージェントがいる一方で、中長期的な視点でキャリアの健康診断、アドバイスをくれるエージェントも多くいます。
こちらでは私がこれまでの5回の転職を通して使った転職エージェントの中から、20代30代のキャリア健康診断という観点で使ってよかったエージェントとこれまでの経験を踏まえておすすめのサービスを厳選してご紹介してます。
Change before you have to. (変革せよ。変革を迫られる前に。)
これはゼネラル・エレクトリック社(GE)の最高経営責任者を務め「伝説の経営者」とも呼ばれたジャック・ウェルチの言葉です。経営においても、キャリアにおいても、変革を迫られる前に準備をしておくことが非常に重要です。
ぜひこの機会にこれまでの経験の棚卸しをして、キャリアの健康診断をやる際の参考にしていただけたら幸いです。
転職エージェントにはここに注意!
転職エージェントは求人を出している企業側がお客様です。求職者の入社・転職が決まった際に、転職者の年収の大体30%を人材紹介費用として企業側から貰うというビジネスモデルです。
一部の転職エージェントでは「誰がどこに行ってもいい」と言う考えを持っている担当者がいたり、また、担当してくれるエージェントも「人」ですので相性もあります。
このため、長く付き合うキャリア健診の相手を「見つける」という意味で複数の転職エージェントに会ってみて「誰とキャリアに継続的に会うか」を決めるのが重要です。
また、あくまでもキャリアの健康診断という観点では、ここで紹介していない外資系の転職エージェントはあまりおすすめしません。人材業界においても外資系企業は成果主義ですので、私の経験では、キャリアの健康診断よりもあくまでも「転職」にフォーカスした方に出会う機会が多かったためです。
20代後半〜30代のキャリア健診におすすめの転職エージェント
転職エージェントは日本に多くありますが「キャリアの健康診断」という観点では、自分の市場価値を正しく理解するためには「多くの同世代の転職を支援している」という点が重要になります。私の経験としては、下記の2社が特に外資への転職を視野に入れた20代後半から30代にはおすすめです。
JACリクルートメント
30代のキャリア健診にまずおすすめしたいのが、JACリクルートメントです。
JACリクルートメントが提供するキャリア面談は、一対一対で60分から90分ほどの時間を使ってじっくりと行われます。中長期的な転職を前提とした情報の提供やアドバイスをくれるのでキャリア健診におすすめです。JACは多くの外資系企業をクライアントとして持っているので、外資ITへのキャリアを考えたキャリア健診をしてくれます。
JACは30代以上を対象にした求人を多く取り扱っているので、30代にとっては広く公平な視点で自分の市場価値の評価とアドバイスを受けることができる一方で、20代を対象とした求人が少ないので、20代はキャリア健診としてはあまり的確なアドバイスがもらえないかもしれません。
キャリア健診という観点では、JACリクルートメントは「入社後のフォロー」もサービスとして提供しているので、多くの30代の「転職後を踏まえた」キャリア健診のアドバイスももらえます。もちろん自分が転職する機会があっても長期的な視点でキャリア健診をしてくれるパートナーとなります。
「外資系企業だから外資ITでは高い英語力が求められるのでは・・・」そんな風に思っていませんか?
実は多くの外資ITでは、高い英語力は必須とされていません。
サンプルとして、すでに多くの方が登録されている JACリクルートメント の掲載している(または、過去に掲載していた)求人をご紹介させていただきます。
多くの外資ITの掲載求人では「語学力」の項目がありますが、その多くが「初級以上」または「不問」です。外資系IT企業は基本的に日本国内のお客様の対応が主な業務ですので、対本社などんの英語を使う業務はマネジメント層が中心で、マネジメント層の求人以外は英語力は求められません。
英語力不問で年収1000万円以上は外資ITでは常識です。
他の事例もコチラに
この記事の読者の方であれば、 JACリクルートメント がIT企業に強いことはよくご存知かと思いますが、外資IT以外でも、年収1000万円を超える国内SaaS系企業の求人や日系IT企業の優良非公開求人などを取り扱っているので、まだの方はぜひこの機会に登録、求人チェックをしてみてください。
エンワールド・ジャパン
30代のキャリア健診の相手として次におすすめの転職エージェントがエンワールド・ジャパンです。
エンワールド・ジャパンのキャリアプランのための無料面談も60分から90分ほどの一対一で行われます。取り扱い求人も30代以降が中心でこちらも30代の方の市場価値を踏まえたキャリア健診には特におすすめしたいです。また、「入社後の活躍」を強く意識している転職エージェントですので、長期的な視点でキャリア健診を支援してくれるパートナーとなってくれます。
私は20代の時に利用したことはないのですが、30代以降がメインの求人となりますので、20代の利用はあまりおすすめできません。外資ITへの転職を視野に入れたキャリア健診をしたい30代にはエンワールド・ジャパンもおすすめです。
ランスタッド
30代のキャリア健診におすすめの最後の転職エージェントはランスタッドです。あまり聞きなれない転職エージェントかもしれませんが、ここまでで紹介している3社の中で最も設立年度が古く1980年に創業しています。
人材派遣事業がコアビジネスのようですが、外資系の転職エージェントとしては個人的に珍しいという印象ですが、こちらもすぐの転職を前提としないキャリア相談に前向きで、加えて、「入社後フォロー」も提供サービス全体の流れの一部としています。
私が初めて使ったのは LinkedIn 経由で連絡をもらった外資IT1社目の30代前半の時でした。
私が感じた他との大きな違いは、担当してくれるエージェントが外国人だったことです。お申し込みをされる方によっても違うかもしれませんが、自分の英語力について率直なフィードバックが欲しい人や英語を使ってキャリアのディスカッションをしてみたい方などにおすすめです。
注意点としては、個人的な評価になりますが、他の転職エージェントと比べたときに「英語でのキャリア相談」以外はあまり違いはない印象を持っています。これは、私が転職を多く経験してて、多くのエージェントに会っているからかもしれません。ただ、英語をお試し的に「ビジネスの環境で使ってみたい」という方には本当におすすめです。
第二新卒〜20代前半のキャリア健診におすすめの転職エージェント
第二新卒〜20代前半であれば、一歩先を見据えて前述の30代向け転職エージェントにキャリア健診をお願いするのも一つですが、同世代と比較した市場価値が気になる場合は、以下がおすすめです。
LHH転職エージェント
外資ITへの転職を視野に入れた20代若手のキャリア健診としてまず初めにおすすめしたいのが、LHH転職エージェントです。あまり聞き慣れない転職エージェントかもしれませんが、人材派遣で有名なアデコがやっている転職エージェントサービスです。
初めにおすすめしたポイントとして、このLHH転職エージェントは「外資全般」と「20代、新卒」に強みがある特殊な転職エージェントですので、20代後半のキャリア健診にはまず登録しておいた方がいいです。(外資への転職を視野に入れるのであれば)
土日も対応してくれるので、時間に余裕がない方も安心です。
リクルートエージェント
20代のキャリア健診で次におすすめしたいのがリクルートエージェントです。老舗ですので、私が採用を経験した外資ITでも何人もリクルートエージェント経由の応募者をみてきましたが、日系・外資問わず幅広い求人案件を扱っています。また、求人の幅だけでなく、サポートしている転職者の年齢幅も広いので、20代後半と今後のキャリアにおいて重要な立ち位置にいる場合はぜひ会ってみることをおすすめします。
ただし、リクルートエージェントはいわゆる「大企業」ですので、担当エージェントの質がいまいちだという声もあります。このため、もし担当者との相性が合わなければ「広く同世代の情報収集」をリクルートエージェントで行いつつ、キャリアの健康診断のパートナーとしては別の転職エージェントを検討するのも一つです。
リクルートエージェントは土日も対応してくれるので、「手始めに」会ってみるにはいいと思います。
Doda
20代後半のキャリア健診のパートナーとして次におすすめしたいのが、土曜日も対応してくれるDodaです。Dodaは転職サイトと転職エージェントの両方を一つの企業として提供している数少ない企業ですので、20代後半の方の「同世代」の市場価値を多くをデータとして把握している転職エージェントですのでおすすめです。
Dodaのエージェント(キャリアアドバイザー)の方はヒアリング能力に定評があって、私も20代後半の時に利用して参考になりました。