
ジョブ型時代のキャリアプランー5回の転職で行き着いた、サラリーマンが生き残る道

ここがポイント!
外資ITは基本的にジョブ型が採用されており、職務内容と役職レベルがジョブ ディスクリプションと ジョブ レベルで定義されています。ジョブ型の世界では、「会社に自分のキャリアを委ねる」のではなく、自分でキャリアを作り上げていくことが重要です
私はこれまで5回の転職を通して、2社の日系中小企業と4社の外資IT企業を経験してきました。日系企業ではいまだに「転職」はネガティブな言葉として捉えられる事が多いようで、例えば転職サイトのリクナビNEXTが過去に実施したアンケートでは「採用側の声」として実に合計75%が「3回目以上のから気になる」と回答しています。


一方で外資系IT企業では働いているほぼ全員が「転職を前提」に仕事をしています。私はこれまで5回の転職を繰り返してきていますが、2回目以降の外資ITから外資ITへの転職は「より良い条件の企業へ移る」ことを目的とした転職です。外資ITで働く社員達は常により良い条件の企業を探しているといっても過言ではありません。このため必然的に転職回数は全員多くなります。
この「転職が前提」の世界である外資IT企業が採用しているのが日系の大手企業を中心に広がり始めている「ジョブ型」の雇用です。ジョブ型の採用では、基本的に特定の業務(ジョブ)に対して人材を採用するため、応募する側である個人としては「より高い給料がもらえる同じジョブ」を探すことで給料を上げ続けることができます。どれくらい上げ続ける事ができるかというと、私は現在30代後半ですが年収は2500万円です。外資系の戦略コンサルテイングや外資系投資銀行などの莫大な年収と比較すると微々たるものですが、それでも日系企業で働いていた頃の約10倍の年収をもらえるようになりました。
こちらの記事では、これから日本企業でも広がると予想される「ジョブ型」人事の生き抜き方を私の5回の転職を踏まえてご紹介させていただきます。今後のキャリアの参考にしていただけたら幸いです。


外資転職ドットコム:管理人
- 5回の転職で6社を経験
- 日系ブラックIT企業で社会人3年目で月収25万円(交通費込み)から、転職を重ねて今は外資系IT企業で年収2700万円超え(令和4年実績)
- 給料関連の公的書類をこちらで公開中
プロフィール
5回の転職で6社(日系ブラック企業2社、外資IT4社)を経験して、10年で年収を約10倍にすることができました。(最初が安すぎたんですが笑)外資ITは数十名規模のスタートアップから数万名規模の超大手まで幅広く経験しています。
このブログでは企業の運営する転職系メディアでは紹介できないような裏話を含め、キャリア・年収アップを目指して外資ITへの転職を検討する上で気になるさまざまな情報を発信しています。
今後のキャリアプランの参考にしていただけたら嬉しいです。
”外資IT転職ドットコム”について
外資転職ドットコムは、日本国内のIT業界で働く全ての営業関連職の方に向けて、転職やキャリアの参考情報として外資系IT企業の実態をご紹介するブログです。本ブログは、管理人と複数の監修メンバーがそれぞれの体験と転職をすることで広げてきた各々の外資ITネットワークを通して収集した、企業の運営する転職系メディアでは紹介できない外資系IT企業の具体的な実態をご紹介しています。
監修メンバーは、それぞれが10年以上外資IT経験者のため、各々が大規模・中堅規模・小規模の企業を経験しており、外資転職ドットコムの内容は下記の外資系IT企業の中で複数の大・中・小規模の企業の内容を含みます。ぜひ、参考にしてみてください。(※全ての企業を含んでいる訳ではありません。)
IBM, Oracle, SAP, AWS, DELL, HP, Cisco, VMware, Lenovo, Microsoft, Salesforce, Google Cloud, Adobe, Opentext, Workday, SAS, Databricks, Snowflake, ZVC(Zoom), Splunk, Cloudflare, CrowdStrike, Okta, Akamai, servicenow, twilio
外資転職ドットコムは「外資未経験」の方に向けて外資系IT業界の実態を紹介しています。
また、外資となると「英語力」を気にする方も多いですが、私が初めて外資ITに転職した際は英語力ほぼゼロからのチャレンジでした。
その経験を踏まえて、まずは無料面談をおすすめしたい転職エージェントは「エンワールド」と「JACリクルートメント
さらに、転職そのものが初めての方には上記の2社に加えて、「リクルートエージェント」に会うのもおすすめです。私も人生で初めての転職では、まずはリクルートエージェントの面談をしました。
転職活動を始める前に、まずはキャリアの相談をすることをおすすめします。
ジョブ型とは何か?
正しい「生き抜き方」を理解するために、まずはそもそも「ジョブ型」とは何なのかを簡単に振り返りましょう。人事コンサルティングのマーサージャパンのこちらの記事でも書かれている通り、「ジョブ型」の対義語として「メンバーシップ型」というのがあります。メンバーシップ型は新卒採用と「人の能力をみて仕事を割り振る」ジョブローテーションを基本としたキャリア形成が行われ、キャリアプランについては「会社主導」となります。一方で「ジョブ型」は「仕事に対して人を割り振る」こととなり、キャリアは「個人主導」となります。
この割り振り方は一見同じように聞こえますが、メンバーシップ型は「人がいることを前提」として、仕事を割り振るのに対して、ジョブ型は特定の仕事に対して「社内外問わず」最適な人を割り振るという点が大きく違います。
加えて、戦略上その「ジョブ」が不要となれば退職を余儀なくされる事ももちろんあります。2019年4月、当時の経団連会長だった西川会長が「終身雇用の継続が難しい」旨の発言をされた背景にはこのようなこともあるためです。メンバーシップ型では「人に仕事を割り振る」形式ですので、ジョブがなくなっても違うジョブが割り振られるだけですが、ジョブ型ではそうはいきません。
日本独自のメンバーシップ型雇用は高度経済成長期を支えて、多くのサラリーマンが慣れ親しんだ雇用形態ですが、経済成長が止まってしまった今、日本企業は人ではなく戦略を軸に雇用を考えなければならなくなりました。この戦略にひもづくのがジョブです。
ジョブがなくなることがあり得ることを思うと、大きな不安を感じると思いますがこれを読んでいただいている方だけは、他の人より早くジョブ型に備えるマインドセットを持っていただければと思います。
外資ITの「ジョブ型」を語る上で欠かせない、Job Description(ジョブ ディスクリプション)と Job Level(ジョブ レベル)
ジョブ型をより具体的に解説するために、外資ITで取り入れられているJob Description(ジョブ ディスクリプション)と Job Level(ジョブ レベル)を紹介させていただきます。
Job Description(ジョブ ディスクリプション)とは、その名の通り「業務の概要」が書かれている職務記述書です。このジョブディスクリプションは求人募集に伴って公開されるもので「求められる経験」と「業務内容」が書かれています。戦略と紐づいたジョブの「業務内容」とそれに最適な人材の経験を定義して社内外から募集します。
もう一つがJob Level(ジョブ レベル)です。ジョブグレードと呼ぶ会社もあります。呼び方そのものは企業によって違いますが、ジョブ型は年功序列ではないので人材の能力によって給料が変わります。この「能力の定義」と「給料レンジ」が一つになって「ジョブレベル」が定義されています。
ジョブレベルは1〜10や1~15など、企業ごとによってその階層や各レベルで求められるスキルは違いますが、この1~10それぞれに給料レンジが紐づく構造になります。また、ジョブレベルはある一定レベルを超えると平社員/スペシャリストであるIC(Individual Contrebutorの略)とManager/マネージャーの2つの道に分かれます。一般的にはManagerの方が年収やRSUを多くもらえる傾向にありますが、ICでもスペシャリストとしてスキルを磨き続けられますので、部下を持つことを好まない方でも「マネージャーにならなければそれ以上の出世はない」ということはありません。
より詳細には下記の記事で紹介していますので、よろしければご覧ください。


ジョブ型に備えるために必要なのは「ジョブ型化」されたキャリアと「あなた自身」
ジョブ型で人材採用を行っている外資ITにおいて、ジョブ ディスクリプションに最適だと思われる人材でも実際の採用場面では、ある1点が懸念されることがあります。それは「転職回数」です。
冒頭で紹介した通り、日本企業では転職回数が多いことはネガティブな事だと思われていますが、ジョブ型を採用している外資ITでは「一度も転職したことがない人」と言うのは入社後の適用力が選考プロセス上で懸念として挙げられます。20代30代であれば初めての転職でもこの適用力を懸念されることはありませんが、年齢が上がるにつれ特に40代に差し掛かると多くの採用関係者が難色を示すようになります。
懸念のポイントとなる適用力を具体例で言うと、例えば、上司が年下かもしれない、年下の同僚からフィードバックをもらったらどうなるか、など、20年近く年功序列の環境で仕事をされた方にとっては経験したことのない環境への適用力です。
このため、ジョブディスクリプションに沿った経験を積むのと共に、自分自身もジョブ型化している事を示せるようにジョブ型雇用が本格化する前に転職を経験しておく必要があります。
さらに詳細を下記の記事で紹介していますので、よろしければご覧ください。


ジョブ型時代のキャリアプランの考え方
ここまで、ジョブ型とは何か?と自分自身も「ジョブ型化」する必要があることを説明しました。それでは、転職を前提とした「ジョブ型」の環境に置いて「個人主導」でのキャリアプランの考え方をご紹介します。
私は5回転職を通して「個人主導」のキャリアプランの考え方を身につけることができました。キャリアプランとは何かを考えると、まずキャリアの「目標」がありその目標との差/ギャップを明確にし、経験を積んでいくプランをいいます。(参照:Globis)
これを「個人主導」で行っていく必要がありますが世の中に出回っている書籍ではなかなか具体的な方法は紹介されていません。そこで、私が参考にしているのがビジネスSNSと呼ばれる LinkedIn(リンクトイン)です。
これは外資ITでのキャリアプランを考える方法に限定されてしまいますが、LinkedInにはほとんどの外資系社員が登録をしていて、過去のキャリアを公開しています。「より良い条件で誘われる」事を待つためです。このため、例えば外資ITの社名で検索すれば、そこの社員や彼らのキャリアを学ぶことができます。ここからキャリアの目標を立てることができます。
具体的にはこちらで解説してますので、よろしければご覧ください。


また、目標との差という観点では外資ITが掲載している求人情報が参考になります。求人情報とはまさに前述で説明したジョブディスクリプションが掲載されています。外資IT社員の中から目標を定め、彼らの歩んだ経歴と同じような求人を探すのはLinkedInがあれば難しいことではありません。
同じような求人を複数見て、分析することでそのポジションに求められる「共通の経験」が見えてきます。この共通の経験の中で自分に足りてないものがあれば、その経験を積んでいくプランが立てられます。
下記の記事では、LinkedInに掲載されている求人の分析方法を外資IT営業の求人21件を分析しながら解説していますので、ぜひご覧ください。


「個人主導」のキャリアに欠かせない、キャリアの定期検診
私が自分のキャリアを考えるにあたり、LinkedInと併用していたのが転職エージェントです。私はこれまで合計で10社ほどの転職エージェントに会ってきてますが、転職エージェントには、すぐに転職をさせようとするエージェントと、長期的な関係を前提にキャリアのアドバイスをくれて最適なタイミングで転職をサポートしてくれる転職エージェントの2種類があります。
自分でLinkedInに公開されている情報を分析して、自分一人で考えるのは重要ですが、さまざまな人のキャリアを知っている第三者目線でのフィードバックも非常に重要です。また、これは私自身が感じている事ですが、人と話すことで自分の考えがブラッシュアップされていきます。一人で考えたキャリアプランを転職エージェントと話す事でより具体的になっていくのです。
私自身この転職エージェントに会う事をキャリアの定期検診と呼んでますが、私は定期的に今でも転職エージェントに会っています。
私がこれまで会った転職エージェントの中から、おすすめをこちらの記事でご紹介していますので、よろしければご覧ください。


冒頭でも書いた通り、「仕事がなくなる事もある」ジョブ型への変化は大きな不安を伴います。もしかしたら、ジョブ型に多くの企業が移行するのは10年以上先かもしれません。ただし、ジョブ型に社会が移行したあと、急いで自分自身もジョブ型化することは簡単なことではありません。
まずはキャリアプランを考えてみて、早めのキャリア健診をおすすめします。
Change before you have to. (変革せよ。変革を迫られる前に。)
ジャック・ウェルチ
これはゼネラル・エレクトリック社(GE)の最高経営責任者を務め「伝説の経営者」とも呼ばれたジャック・ウェルチの言葉です。
経営においても、キャリアにおいても、変革を迫られる前に準備をしておくことが非常に重要です。
日本ではまだまだ転職が一般的でないので「キャリア」について相談できる人を見つけるのは難しいのが現状です。私の親は終身雇用の企業で定年を迎えたため「キャリアプラン」の相談をできる状況ではありませんでした。そこで、私が頼りにしていたのが転職エージェントです。
転職エージェントの中ではすぐに転職をさせようとするエージェントがいる一方で、中長期的な視点でキャリアのアドバイスをくれるエージェントも多くいます。こちらでは私がこれまでの5回の転職を通して使った転職エージェントの中から、これまでの経験を踏まえておすすめのサービスを厳選してご紹介してます。
外資ITへの転職は LinkedIn と転職エージェントの併用がおすすめですが、ここでご紹介している3社はそれぞれ、LinkedInにも非公開求人を掲載しているので LinkedIn との併用という観点でもおすすめです。


おすすめのポイント!
1. 中長期的な関係を前提に、キャリアの相談だけでも受けてくれる
2. ハイクラスに特化しているので、ハイクラスのキャリアに詳しい
3. 転職後1年間、入社後サポートを提供している
申し込みのステップ:
公式サイトの「無料面談に申し込む」をクリック。録画面に必要事項を入力。
必須の入力項目が19でほとんどが選択項目なのですぐに終わると思います。職務経歴書の添付は任意ですが、可能な範囲で書いたものを添付しておくとキャリア相談がより有意義なものになります。
想定登録時間:約2分(業界最短水準)


おすすめのポイント!
1. 中長期的な関係を前提に、キャリアの相談だけでも受けてくれる
2. ハイクラスに特化しているので、ハイクラスのキャリアに詳しい
3. 「両面型」の支援体制なので、企業の生の声に近い情報が知れる
申し込みのステップ:
公式サイトにて、まずはメールアドレスを入力、その後メールで届く登録画面に必要事項を入力。
必須の入力項目が27つありますが、ほとんどが選択項目なのでそれほど時間はかかりません。最も悩みやすい「職務経歴書」の添付や、テキストでの「詳しい経験の入力」は必須ではありません。ただし、可能な範囲で入力しておくとキャリア相談がより有意義なものになります。
想定登録時間:約10分
おすすめのポイント!
1. 中長期的な関係を前提に、キャリアの相談だけでも受けてくれる
2. ハイクラスに特化しているので、ハイクラスのキャリアに詳しい
3. 英語でキャリアの相談が可能
申し込みのステップ:
公式サイトから「まずは無料相談してみる」をクリック。履歴書については「添付なし」をクリック。登録画面に必要事項を入力。
必須の入力項目が22でほとんどが選択項目なのですぐに終わると思います。業務内容の記入は任意ですが、可能な範囲で書いておくとキャリア相談がより有意義なものになります。
想定登録時間:約5分