世界中の多くのビジネスマンに使われているビジネスSNS LinkedIn(リンクトイン)をご存じでしょうか。
フェイスブックやツイッターなど、一般的なSNSと比較してまだまだ日本での浸透は進んでいない LinkedIn ですが、日本にオフィスを構えるほとんどの外資IT企業やそこで働く従業員のほとんどがLinkedInを使っています。
LinkedInでは「ビジネス」に関わるさまざまなサービスが提供されています。個人の利用としては、職務経歴書のようなプロフィールを掲載できることはもちろん、ビジネスに関わるさまざまなグループに参加したり、ブログが書けたり、最近では学習サービスも提供しています。企業の利用としては、企業専用ページを開設したり、自社の求人を掲載し、候補者にダイレクトメールを送ることも可能です。
このように多くのビジネスに関わるサービスが提供されている LinkedIn ですが、今回はキャリアプランを考えるためにどのように参考にできるのか、企業側ではどのように使われているのか、キャリアという観点で LinkedIn を使うとどのようなことが起きるのかをご紹介させていただきます。
LinkedInの登録は非常に簡単です。5分で終わる全10ステップをキャプチャ付きでこちらの記事でご紹介してますので、まだ登録してない方は参考にしてみてください。


キャリアプランの参考にするのは Linkedin の「ユーザー」と「求人」
自分のキャリアプランを考えるにあたり、LinkedInで参考にするのは
- 他の人(ユーザー)のキャリア
- 企業の求人
の2つです。
ここでは、LinkedInの中で公開されているこの2つの情報をどのように活用して、キャリアプランの参考にできるのかをご紹介いたします。
他人のキャリアから「キャリアパス」や「アピールポイント」」を学ぶ
まず初めに、他の人のキャリアについてです。LinkedInには過去のキャリアを細かく登録していない人も多いですが、長く外資ITに勤めていて、何社も経験しているような人は出身大学や現在に至るまでに経験した企業名・役職・職種それぞれ書かれています。また、そのような方々はキャリアサマリー(概要)を書かれていることも多いです。このキャリアサマリーは、外資ITを渡り歩いている方々が自分のキャリアを踏まえてアピールポイントを要点にまとめた貴重な情報源です。彼らが「どのようなスキルをアピールしているのか」を学ぶことができます。
どのような方を参考にすべきかは人それぞれですが、例えば、企業名で検索をして「ユーザー」で絞ると、その企業に勤めていて、LinkedInでプロフィールを公開している方を見ることができます。または、「Director」などの役職で検索すると、それらの役職についている方のプロフィールを見ることができます。
LinkedInが登場する以前は、メディアに出ている方のプロフィールや本を出版した方の経歴しか知ることができませんでしたが、LinkedInを使うと本当に多くの人のキャリアを学べます。これを使わないてはありません。
ユーザーのキャリアについて、私がみているポイントなどをこちらの記事にまとめていますので、よろしければご覧ください。

求人を分析して「市場が求めている経験・スキル」を知る
他の人のキャリアを分析して、どのようなキャリアを歩んだのかを学んだら、次に見るべきなのは求人です。求人についても外資ITのほとんどの企業がLinkedInで掲載をしています。外資ITの求人に掲載している内容はいわゆる Job Description(ジョブディスクリプション)と呼ばれるもので、「ジョブ型雇用」の話の流れで聞いたことがある方もいるかと思いますが、募集するポジションの職務内容などが書かれています。
この求人に書かれている内容で見るべきポイントは募集背景、担当業務、資格条件の3つです。募集背景は、なぜそのポジションで求人を出しているのか、についてはもちろん書かれていますが「どのようなチーム」での募集なのか、例えば、営業部門であっても「製造業をターゲットにするチーム」などさまざまなことが書かれています。これらの情報は転職を進める上では非常に重要ですので必ず見るようにしましょう。
キャリアプランを考える上で重要になってくるのは担当業務と資格条件です。キャリアの参考にした方の経験されている役職・職種名で検索すると、同じような職種の求人が色々と出てくると思います。その中に書かれている担当業務と資格条件を分析することで、どのような経験や経験が求められるのかがわかります。
それらを参考に、自分の経験やスキルと照らし合わせて、どこを強みとして活かせるのか、何が足りていないのかを考えることができます。
私が頭の中でやっているLinkedInの求人分析のイメージを実際に21件の求人情報を使ってご紹介してますので、よろしければこちらの記事もご覧ください。

LinkedInのプロフィールの更新をして、見つけてもらおう!
冒頭で紹介した5分で終わる登録手順は本当に必要最低限の情報だけしか入力していないので、あの手順で登録されたのであれば、ここまでの他の人のキャリアや求人を分析した結果を踏まえて、自分自身のプロフィールを更新してみましょう。
LinkedInは多くの企業の人事(リクルーターと呼ばれる人々)や転職エージェントが日々、求人の候補者を探しています。彼らから声がかかるようにするためにはプロフィールを充実させておく必要があります。
私はこれまで多くのリクルーターや転職エージェントからLinkedInを通して連絡をもらい、面談をしています。リクルーターの面談では、経歴、得意分野、仕事で重視することの3つを聞かれます。
過去の経歴については、プロフィールを作る段階でまとまると思いますので、自分のLinkedInをみながら話すことができますが、得意分野については少し事前調査が必要です。リクルーターが声をかけてくる背景としては、そこに求人があるためです。募集しているポジションに自分の経歴がマッチしているために声をかけてきているのです。
このため、リクルーターから声がかかったら、その企業の求人をみてみることをおすすめします。その求人内容をみて、どのような業務なのか、どのような経験・スキルが求められるのかを事前に理解しておくことで、経歴や特に得意分野でアピールするポイントとなります。
私自身、直近で2社のリクルーターと面談をした。そこでの体験を踏まえて下記の記事にまとめましたので、よろしければ参考にしてみてください。

初めての外資IT転職ではLinkedInと転職エージェントとの併用がおすすめ
ここまで紹介した通り、外資ITへの転職はうまくいけば LinkedIn だけで十分です。実際に何回も転職を経験していくとナレッジが溜まっていくので、外資IT社員の中には転職においてLinkedInしか使っていない人もいます。
ただし、私の経験上、初めての外資ITへの転職ではLinkedInに加えて、転職エージェントを使うことをおすすめします。
最も大きな理由は、人にキャリアについて話をすることで、自分の考えがまとまっていくためです。
自分でLinkedInに公開されている情報を分析して、自分一人で考えるのは重要ですが、さまざまな人のキャリアを知っている第三者目線でのフィードバックも非常に重要です。一人で考えたキャリアプランを転職エージェントと話す事でより具体的になっていくのです。
私自身この転職エージェントに会う事をキャリアの定期検診と呼んでますが、私は定期的に今でも転職エージェントに会っています。
私はこれまで合計で10社ほどの転職エージェントに会ってきてますが、転職エージェントには、すぐに転職をさせようとするエージェントと、長期的な関係を前提にキャリアのアドバイスをくれて最適なタイミングで転職をサポートしてくれる転職エージェントの2種類があります。
私がこれまで会った転職エージェントの中から、定期検診におすすめの3社をこちらの記事でご紹介していますので、よろしければご覧ください。

他にも、初めての外資ITへの転職で転職エージェントを併用するメリットはいくつかあります。
外資ITでは日系企業で同じ意味の職種がいくつもあります。例えば、「営業」を例にとってもAccount Executive(アカウントエグゼクティブ)と呼んだり、Account Manager (アカウントマネージャー)と呼んだり、Field Sales(フィールドセールス)や Sales Executive(セールスエグゼクティブ)など企業によって違います。
このため、初めての外資ITへの転職で網羅的に求人を知るためには職種の名前に関係なく紹介してもらえる転職エージェントには大きなメリットがあります。
また、LinkedInには英語で求人情報が掲載されているケースが多くあります。注意点としては、これら全ての求人において英語が必須の要件ではないということです。英語に苦手意識があるとこのような方が英語の求人情報を読むのは時間がかかってしまいますが、転職エージェントであれば、それらも含めて紹介してもらえます。
私の経験を踏まえた転職エージェントとLinkedInを併用するメリットについてはこちらの記事で紹介していますので、よろしければご覧ください。

外資IT人事は採用活動に LinkedInと転職エージェントの両方を使っている
最後に、外資IT人事がLinkedInと転職エージェントを併用していることをご紹介させていただきます。
LinkedInは企業の採用活動として使う場合、非常に低価格で利用が可能であるため、ほとんどの外資ITの人事で使われています。LinkedInを通して、ユーザーである候補者にアプローチしています。
ではなぜ、転職エージェントも使うのでしょうか?
LinkedInだけの採用活動における最も大きな問題は、ちゃんとプロフィール情報を入れている人が少ない、ということがあります。LinkedInには多くの外資IT社員が登録していて人事はLinkedInを通して連絡ができるようになっていますが、プロフィール情報を細かく入れている人は多くはありません。
特に、20代後半30代前半という最も対象となる求人が多い方々はあまりプロフィールを書いてない印象です。このため、LinkedInだけでは十分な候補者を用意できないので、外資ITは転職エージェントを併用するのです。
その他にもいくつか理由があり、詳しくは下記の記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。
私が初めての外資ITへの転職で転職エージェントもLinkedInに加えて使うことをおすすめしている理由はこの外資IT人事の事情もあるからです。

LinkedInはSNSとしての機能を使わなくてもキャリアプランを考えるためにぜひ登録してみましょう。また、自分で分析した結果をさらにブラッシュアップするために、転職エージェントでキャリアの定期検診をすることをおすすめします。
今後のキャリアプランの参考にしてもらえたら幸いです。

日本ではまだまだ転職が一般的でないので「キャリア」について相談できる人を見つけるのは難しいのが現状です。私の親は終身雇用の企業で定年を迎えたため「キャリアプラン」の相談をできる状況ではありませんでした。そこで、私が頼りにしていたのが転職エージェントです。
転職エージェントの中ではすぐに転職をさせようとするエージェントがいる一方で、中長期的な視点でキャリアのアドバイスをくれるエージェントも多くいます。こちらでは私がこれまでの5回の転職を通して使った転職エージェントの中から、これまでの経験を踏まえておすすめのサービスを厳選してご紹介してます。
外資ITへの転職は LinkedIn と転職エージェントの併用が必須ですが、ここでご紹介している3社はそれぞれ、LinkedInにも非公開求人を掲載しているので LinkedIn との併用という観点でもおすすめです。
おすすめのポイント!
1. 中長期的な関係を前提に、キャリアの相談だけでも受けてくれる
2. ハイクラスに特化しているので、ハイクラスのキャリアに詳しい
3. 転職後1年間、入社後サポートを提供している
申し込みのステップ:
公式サイトの「無料面談に申し込む」をクリック。録画面に必要事項を入力。
必須の入力項目が19でほとんどが選択項目なのですぐに終わると思います。職務経歴書の添付は任意ですが、可能な範囲で書いたものを添付しておくとキャリア相談がより有意義なものになります。
想定登録時間:約5分
おすすめのポイント!
1. 中長期的な関係を前提に、キャリアの相談だけでも受けてくれる
2. ハイクラスに特化しているので、ハイクラスのキャリアに詳しい
3. 「両面型」の支援体制なので、企業の生の声に近い情報が知れる
申し込みのステップ:
公式サイトにて、まずはメールアドレスを入力、その後メールで届く登録画面に必要事項を入力。
必須の入力項目が27つありますが、ほとんどが選択項目なのでそれほど時間はかかりません。最も悩みやすい「職務経歴書」の添付や、テキストでの「詳しい経験の入力」は必須ではありません。ただし、可能な範囲で入力しておくとキャリア相談がより有意義なものになります。
想定登録時間:約10分
おすすめのポイント!
1. 中長期的な関係を前提に、キャリアの相談だけでも受けてくれる
2. ハイクラスに特化しているので、ハイクラスのキャリアに詳しい
3. 英語でキャリアの相談が可能
申し込みのステップ:
公式サイトから「まずは無料相談してみる」をクリック。履歴書については「添付なし」をクリック。登録画面に必要事項を入力。
必須の入力項目が22でほとんどが選択項目なのですぐに終わると思います。業務内容の記入は任意ですが、可能な範囲で書いておくとキャリア相談がより有意義なものになります。
想定登録時間:約5分