ここがポイント!
1. 外資ITのマーケティングは元々は広告代理店やイベント会社など、マーケティング部門から発注を受ける側からの出身者がほとんどです!
2. 未経験者から外資ITマーケティングへの転職は、一旦発注を受ける側で外資ITを担当できると外資ITに転職しやすいですよ!
マーケティングと聞くと、広告や宣伝または大規模なイベントをイメージする人が多いかと思いますが、企業の従業員規模にもよりますが、外資ITのマーケティング部門には大きく9つの職種があります。
「マーケティングへのキャリアチェンジ」を考えられている人もいるかと思いますので、今回は10の職種の簡単な仕事内容とそれぞれのよくあるキャリアをご紹介させていただきます。今後のキャリアプランの参考にしていただければ幸いです。
プロダクトマーケティング
製品のメッセージやターゲットマーケットを定義し、マーケティング全体の指揮者となるのがプロダクトマーケティングです。イベントなどでエバンジェリスト的に製品の話をしている方々はプロダクトマーケティングの方が多いです。また、顧客向け提案資料のテンプレートやマーケティングコンテンツを作るのもプロダクトマーケティングの仕事です。
プロダクトマーケティングの方々のバックグラウンドとしては優秀な営業やエンジニアなどがキャリアチェンジとしてプロダクトマーケティングになるか、元々他社でプロダクトマーケティングだった方が転職してくるなど、さまざまです。ただし、プロダクトマーケティングは全体の指揮者的な立場となるため、未経験からプロダクトマーケティングになるためには、社内で実績を残してから同じ社内で転身する必要があります。
ブランドマーケティング
テレビや新聞などいわゆる「広告・宣伝」を担当するのがブランドマーケティングです。テレビや新聞の広告は大きな予算を必要とするため、比較的規模の大きな企業にしかブランドマーケティングチームは日本にありません。規模が小さい企業では、本社で設計された広告展開を日本のマーケティングチームの誰かが兼務するような形で実行することになります。
ブランドマーケティングの方々のバックグラウンドとしては、元々テレビや新聞などの広告代理店で扱っていた方が多いです。
イベントマーケティング
大手の外資ITでは年に数回、規模の大きなイベントを主催したり、外部の展示会で大規模な出展を行います。これらを企画・管理・実行するのがイベントマーケティングチームです。こちらもブランドマーケティング同様、小さな組織では兼務でやっていることが多いです。
イベントマーケティングの方々のバックグラウンドとしては、元々イベント運営会社だった方がキャリアチェンジでイベントマーケティングに転身して、その後、外資を渡り歩いている印象です。
デジタルマーケティング
WEBサイトやリスティング広告・ソーシャルメディアの広告やメールなど幅広く取り扱っているのがデジタルマーケティングチームです。大きな組織ではそれぞれ個別に担当者がいることもありますが、一人が「デジタル担当」となっている組織もあります。
デジタルマーケティングの方々のバックグラウンドはデジタルに特化した広告代理店やメールマーケティングなどを支援しているマーケティングコンサルティングの企業などです。
リードジェネレーション/デマンドジェネレーション
一般的には聞き慣れないかもしれないですが、外資ITのマーケティングで最も多いのがこのリードジェネレーションの担当者です。役割は展示会やセミナー、メディアでのPDF掲載を通して見込み顧客を見つけることが仕事となります。全てのマーケティング業務と横断的に関わるため、小規模な会社ではこのリードジェネレーションの担当者がこれまで紹介した業務をひとり、または数名で行っています。
経歴としては、営業担当者が社内のキャリアチェンジでやられることもありますが、これも広告代理店からの転身が最も多い印象です。
マーケティングオペレーション
外資ITのマーケティング活動はさまざまなITシステムが関わります。メールマーケティングのメールシステムや見込み顧客を管理するCRMなどがその代表です。マーケティングオペレーションはそのシステムや見込み顧客のデータを管理するのが主な役割です。
経歴としては、マーケティング内部でのキャリアチェンジやマーケティングコンサルティング会社からのキャリアチェンジが一般的です。
エグゼクティブプログラム
大手の外資ITでは、大手取引先の役員クラスの方々との関係を深めるためにさまざまな企画が用意されています。インフルエンサーとのディナー会やラウンドテーブル、ゴルフコンペなどです。これらを牽引するのがエグゼクティブプログラムの担当者です。
エグゼクティブプログラム担当者のバックグラウンドとしては、イベントマーケティングとして重要顧客向けの企画を担当していた方が組織の拡大に伴って専任となるケースが一般的です。
チャネルマーケティング
外資ITでは、自社独自で案件を発掘するパターンとは別に販売代理店(リセラー/チャネル)を通して案件を発掘するパターンがあります。この販売代理店を通して案件を発掘するために、販売代理店を通して、または販売代理店とともにマーケティング活動を行うのがチャネルマーケティングです。
経歴としては、リードジェネレーションの担当者が兼務から専任になるパターンと販売代理店側で販促などマーケティングに近い業務をやられていた方が転職するケースが多い印象です。
PR/広報
一般的にも馴染みのある広報ですが、外資ITでも専任で広報がマーケティング組織の中にあります。メディア対応や、社長の戦略発表など、いわゆるPR活動やプレスリリースの内容や配信手配に責任を持ちます。
PRの方の経歴は元々PR代理店にいた方がキャリアチェンジとして企業側に転職されるケースが一般的です。
マーケット・競合調査/リサーチ
マーケティングと聞いて広告・広報の次にイメージいやすいのがリサーチ・調査ではないでしょうか。外資ITでは会社規模が大きくなると日本国内にリサーチ機能を持つようになりますが、ある程度の規模になるまでは基本的に本社側でのリサーチチームの調査データを活用するこことになります。
国内にリサーチ組織を持つ場合の担当者の経歴としては、営業企画などの経験者や国内リサーチ会社での経験者が転職することが一般的です。
未経験から外資ITのマーケティングになるには?
これまでご紹介したように外資ITのマーケティング担当者は「元々仕事を受ける側」であったケースが最も一般的です。広告代理店やイベント、PR、調査会社など、クライアントとして外資ITをもつ企業からそのクライアントに転職された後、外資ITを渡り歩いている方がほとんどです。
このため、今後のキャリアプランとして外資ITでのマーケティングを考えているのであれば、未経験であれば、前述の業務を受ける側で2-3年経験を積まれるのがいいのではないかと思います。
今後のキャリアプランの参考にしていただければ幸いです。
