ここがポイント!
1. 「カスタマーサクセス」はSaaSビジネスにおける新しい「営業」
2. 購入後のお客様の利用促進・追加購入支援がメイン業務なのでコニュニケーション能力が活かせる!
3. サブスクリプションビジネスの「かなめ」となる仕事なので将来性は抜群!
IT業界の方であれば「カスタマーサクセス」という職業を聞いたことがあるのではないでしょうか。Dodaを運営する パーソルキャリアから発表 された調査データによると、「インサイドセールス」や「カスタマーサクセス」の求人が2年半で約7.4倍となったとのことです。
その「カスタマーサクセス」は、クラウド型ソフトウェアいわゆるSaaSのビジネスを展開している企業では必ずあるポジションです。カスタマーサポートと混同している方も多いかと思いますが、実際は大きく異なります。簡単に言ってしまうとカスタマーサクセスとは「すでに購入いただいたお客様の利用促進を促す”営業”」といえます。元々米国で生まれたこの仕事は、SaaSスタートアップがホットになっている日本でも多くの企業が募集しており、外資ITでも多くの企業で求められています。
カスタマーサクセスはある種「営業」だと言えるため、今現在営業をやられている方の経験、特にお客様とのコミュニケーション能力をおおいに活かすことが可能なため、ゼロから関係構築して売る、いわゆる「営業」から転身されたい方にはベストなポジションではないかなと思います。
外資ITに興味があり、今は営業をやっているけれどそのうち違う仕事に変わりたい。。。そのような方の外資ITチャレンジの参考にしていただけると幸いです。
なぜSaaSでは「カスタマーサクセス」が必要なのか?
サブスクリプションの課金形態をとっているSaaSビジネスでは「お客様に使い続けてもらうこと」が非常に重要になります。SaaS ビジネスでは顧客のLTV(Life Time Value:ライフ タイム バリュー)といわれる直訳すると「顧客生涯価値」や、 Churn Rate(チャーン レート)といわれる解約率が重要な経営指標になっています。また、SaaS では利用者や利用率が増えれば増えるほど売上が伸びていくので、この促進や、複数のSaaS製品を販売している企業では追加で新しい製品を顧客に購入してもらうことも重要です。
これら SaaS ビジネスにおいて重要な役割を果たすのがカスタマーサクセスです。
気になる仕事内容と給料体系
カスタマーサクセスの仕事内容は多岐にわたります。購入後のトレーニングや導入支援、お客様内部での活用促進と契約更新業務、利用が広がれば、利用者追加のための提案(UP Sell:アップセル)や新規製品の提案(Cross Sell: クロスセル)、そしてご利用いただいているお客様からのお問合せの対応です。
簡単にいいますと、製品を買っていただいたお客様の社内での利用促進と追加の営業活動プラス、サポート業務といえます。基本的に「取り扱い製品」の「活用方法」の知識は必要となりますが、お客様とのコミュニケーションが重要となりますので、今現在営業をやられている方の転身には非常に向いていると思います。
給料形態はやはり営業と似ていて、固定給とコミッション・インセンティブになります。この割合は実際の営業よりは少し固定給が多い場合が多く、営業が6:4であればカスタマーサクセスは 7:3 のような形です。カスタマーサクセスのコミッションは、顧客の継続率や追加販売売上など、さまざまな指標がありますが、今までの経験では「追加売上」よりも「顧客の継続」に重きが置かれている印象です。
求められるスキル
お客様にご購入いただいた製品をお客様社内での利用を促進していただくのが重要な役割ですので、コミュニケーション能力は非常に重要です。また、「製品の活用方法」をお客様にご紹介するのも仕事ですので「製品そのものを好きになれるか?」というのも非常に重要な点です。売り切りであれば、多少好きじゃない製品でも売ってしまえば終わりですが、売った後にさらに活用してもらい、お客様の組織の中で広げてもらうためには、まずは自分自身が製品を使い倒す必要があります。このため、自分の好きでもない製品を使い倒すのは興味を継続させるのが難しいので、忘れてはいけないポイントです。
最後に、技術的な知識と英語力です。お客様が購入されたのはSaaS型のITソフトウェアですので、お客様と円滑なコミュニケーションを取るためには多少のIT知識が求められます。また、外資ITでは海外での利用の方が広がっていてノウハウが溜まっている事が多くありますが、そのノウハウの多くは英語であるケースもありますので、それらを理解するためには英語が必要になるケースもあります。ただし、どの程度の技術知識が必要なのか?とどの程度の英語力が必要なのか?は企業や取り扱い製品にとって大きく違いますので、ポジションを応募された際に面接で聞かれるといいと思います。
いつか年収1000万円超えたいんですが、、、可能ですか?将来性は?
可能です。外資ITでは年収1000万円というのは高い方ではないので、2回くらい転職を重ねれば年収1000万円は余裕で届きます。
ここで気になるのはこの「カスタマーサクセス」という比較的新しい職業の将来性ですが、私は抜群にあると思います。今はさまざまなソフトウェア企業がクラウドでの製品提供に力を入れています。その理由は、売り切り型よりも安価に販売できるため、新規ユーザー獲得がしやすいというのはありますが、企業の戦略としての視点では、売り切り型のビジネスよりもサブスクリプションモデルのビジネスの方が、継続して売上が立つので将来の売上予測が立てやすく、その売上予測を使って長期的な経営判断を行えるからです。そして、その継続的な売上を支える重要な組織が「カスタマーサクセス」なのです。
いかがでしたでしょうか。是非この機会に、カスタマーサクセスについて少し学んでいただき、外資ITへチャレンジしていただければと思います。

