退職理由は何？富士ソフトは何が”やばい”？辞めたいけど転職先は？富士ソフト卒業生を調査！【SIer転職先特集】

外資系IT企業では多くのJTC/日系企業卒業生が活躍しています。

特にSIerはその事業の特性上、外資ITの製品を含む幅広い製品を取り扱っているので、外資系IT企業は「即戦力」として好んでSIer出身者を採用しています。

SIer卒業生特集、今回は富士ソフトの退職理由と卒業生の転職先を見てみましょう。

まずは、卒業生が富士ソフトのどんなところに不満を持って退職を決めたのか、複数の口コミサイトの調査を踏まえて紹介し、その後、外資ITのほとんどの社員が使っているビジネスSNSのLinkedIn上で調査して富士ソフト出身者がどのような外資系IT企業で活躍しているのかを紹介します。

富士ソフトの業界ランキングまとめ。本当にやばい？

卒業生の詳細に入る前に、まずは富士ソフトが業界の中でどのような位置付けなのかについて振り返りましょう。

ココでは、SES初心者ナビさんの「SIerの年収・ホワイトランキング！IT企業100社を徹底調査」のデータをもとに紹介紹介させていただきます。

年収ランキング

富士ソフトは、平均年収600万円で、SIerの年収ランキングで99位に位置づけられています。

ホワイトランキング

SIerのホワイトランキングでは、富士ソフトは91位に位置づけられています。

このランキングは、年収、売上高、離職率、残業時間、有給日数、勤続年数、評判の7つの項目を考慮して決定されます。

売上高ランキング

富士ソフトは、売上高2,578億円で、SIerの売上高ランキングで16位に位置づけられています。

---

富士ソフトは、年収ランキングにおいて99位と比較的低位に位置しており、平均年収600万円で、SIerの中では高い方でありませんでした。ただし、日本の平均年収が403万円であることを考えると、富士ソフトの平均年収600万円はかなり高いといえます。

一方、ホワイトランキングでは91位と下位にランクインしていることから、単に給与の高さだけでなく、働きやすさや企業文化、福利厚生などの総合的な評価が求められる現代において、企業選びの際には多角的な視点が必要であることが伺えます。

それでも富士ソフトを辞めたい！

様々なランキングでバランスのとれた優良なSIerである富士ソフトを卒業した方々は富士ソフトのどのようなところに不満を持っていたのでしょうか。

ここでは、転職会議、ライトハウス、Open Work、キャリコネに投稿されていた富士ソフトについての口コミから「会社に対する不満」や「退職理由」を中心に数百の口コミをいくつかの項目にまとめました。

先輩たちが何に不安を感じ、不満に思って富士ソフトを辞めたのか、あなたの感じていることと照らし合わせてみてください。

キャリアの成長に対する支援不足

一部の社員からは、技術力のある社員とない社員の差が激しく、一定以上できる社員に負荷が集中する体制であるとの口コミがありました。

他にも、退職理由として、資格のサポートが不足していることや、社員の成長を推進するための制度が整っていないことが原因として挙げられていました。

また、このような状況は、昇進の魅力を低下させ、給与面での差異を生まないまま、努力をしても報われない状況を生むことも指摘されていました。

社内の新人や転職者へのサポート不足

口コミを見てみると、新人や転職者に対するサポートが不十分であるとの声が多く、特に教育やサポートが求められる状況での対応が雑なことが指摘されています。

また、サポート体制が整っている部分では、新人もしっかりと成長している様子が伺えますが、逆にサポートが不足している部署では、新人が成長の機会を逃してしまっているようです。

特に業務が多忙な部署では、新規参画者へのフォローや教育の時間が確保されていないとの声が多く、その結果として新人の成長を妨げているとの意見もありました。

さらに、経験豊富な社員が中心となっている現場では、新人がなかなか仕事を進めるのが難しい環境であるとの感想も見受けられ、異動の際にも困難な状況が続いているようです。

営業職の実態と期待のギャップ

一部の口コミでは、営業職の実態は一般的なイメージとはかけ離れている部分が多いとの指摘もありました。

具体的には、日常の業務において、社内の日程調整や書類の手続き、技術部門からの見積もりの確認など、一般的な営業活動以外のタスクが増えているようです。

特に中途入社の方々からは、「営業としてのやりがいを感じにくい」「物足りなさを感じる」といった意見が多く寄せられています。

さらに、営業計画の立案が遅れがちで、その影響で日々の業務に対するモチベーションの維持が難しいという声も見受けられます。

経営陣に向けては、「現場の意見や声をもっと取り入れてほしい」という要望があるようです。

ワークライフバランスについての実態

口コミサイトを見ると、プロジェクトの状況に関わらず、一年を通して高い稼働が求められることから、バランスのとれた働き方が難しいとの声が多いようでした。

その影響か、特に優秀とされる人材の退職が目立つとの情報もあり、その結果、現場のスキルレベルの低下や業務の負担増につながっていると感じられています。

一方で、「会社としてはワークライフバランスを重視している」や「有給の取得がしやすくなった」「残業が減ってきた」とのポジティブな意見も散見されます。しかし、高い離職率や給与の問題、十分な教育が受けられないなど、まだ改善の余地がある部分も指摘されているようです。

コミュニケーションの実態

日々の業務に忙殺され、個別のタスクに追われる中で、他の社員との間のコミュニケーションが疎かになっているとの口コミも多いです。実際に、技術的なスキルは磨かれているものの、コミュニケーション能力に課題があると感じる声も散見されます。

サポートが十分でないことや、他のメンバーとの接点が少ない現場では、業務の意義や目的が掴みづらく、それがストレスとなっているとの口コミもあります。

また、部署間や他部署とのコミュニケーションが不足していることが、業務の効率や評価に影響しているとの声もあるようです。この結果、給与や昇進の格差につながっているとの懸念も伺えます。特に、社内環境や風土がコミュニケーションを取りづらくしているとの指摘も見受けられました。

キャリア形成に関する懸念

口コミを見ると、部署の管理職からのサポートが不十分で、自身の業務推進に対するバックアップを受けられない経験をしている方が多いようです。特に、経営層や上層部の評価に重きを置く文化があり、個別のキャリアやスキルアップへのサポートが疎かにされているとの意見が散見されます。

また、キャリアアップに繋がる業務が少ないため、日々の仕事の意義や目的を見失ってしまうとの声も多くあります。

キャリアに関する長期的な指針やサポートが不足しており、将来への展望に対する不安を抱える社員がいることも分かります。

加えて、キャリアの方向性やスキルアップについての相談やアドバイスが得られない状況も指摘されています。このような状態は、長期的なキャリア形成やビジョンの確立を難しくしているとの懸念が寄せられています。

業務の変動に対する不安

多くの社員が複数のプロジェクトや部署を経験する中で、業務内容が頻繁に変わることによるストレスが増加しているとの口コミも見られました。

特に、異動やプロジェクトの変更が頻繁に行われる環境では、業務の方針や内容がコロコロ変わるため、適応するのが難しいという意見が目立ちます。

このような状態が、自身のキャリアのビジョンや理想との間にギャップを生んでおり、それが退職を検討する一因となっているとの声もあります。

特に、特定の技術や業務領域に特化してスキルを磨きたいと考える社員にとって、業務内容の変動がキャリアの障害となっていると感じることが多いようです。

組織の体制や風土

口コミを見ると、部署の業務方針や組織の規模によっては、個人の意見や方針の実践が難しいと感じる社員が多いようです。特に、社内で数年を過ごした後、キャリアやスキルの成長の限界を感じる声があり、その結果として外部の転職市場を新たなチャンスとみる社員も散見されます。

組織内での変動や頻繁な異動がある中、自身の技術背景やキャリアの方向性を見失ってしまうとの懸念も示されています。ライフスタイルの変化、例えば結婚や出産など、に伴うキャリアの不確実性や組織の未来への不透明感についての不安も感じる社員がいるようです。これらの声から、組織の文化や体制がキャリア形成の一つの障壁となっていることが伺えます。

将来への展望

口コミの中には自身の仕事量と給与のバランスに不満を感じている人も見受けられました。

特に、客先常駐での重要な業務を担当しながらも、給与の向上が見られないとの口コミが多く見受けられます。

これは、部署や上司によって評価基準が異なるためや社内政治の影響を受けるため、といった理由で給与アップが期待しづらい環境があるようです。

また、社員の中には5〜6年目を迎えた頃に、自身のキャリアの限界を感じ、外部の転職市場の活動をチャンスと見る人もいます。

特に、将来的なキャリア展望が不透明であると感じる社員からのフィードバックが多く見られます。さらに、組織の目的や事業の持続性に関しても、部署やプロジェクトによって大きな変動があると指摘されています。

---

これらの口コミから明らかになるのは、組織内でのキャリアの成長とサポートの体制、新人や転職者への教育の不足、営業職の業務の多様性と期待のギャップ、ワークライフバランスの問題、業務評価と報酬のギャップ、組織内のコミュニケーションの欠如、そして将来の展望と安定性の不明確さなど、多岐にわたる課題が存在することが伺えます。

特に、キャリア形成やスキルアップに関するサポートが不足しているとの声が多く、これは組織の継続的な成長や社員のモチベーションの維持に影響を与える可能性が高いです。

富士ソフトからの転職先、外資ITではこんなところ！

ビジネス系SNSのLinkedinでは、ユーザーの勤めてきた会社を見ることができます。

ここでは、Linkedinに「過去の勤務先」として富士ソフトを登録している方の公開されている経歴を参考に「富士ソフトからの転職先」を紹介します。

Linkedinについて、ご存知でない方、使い方について知りたい方はこちらもご覧ください。

富士ソフトから外資ITへの転職先

Linkedinを見ると、富士ソフト出身の方は大手外資ITに転職され、外資ITをわたり歩いているかたが多いように思います。

一部の方の実際の経歴キャプチャを掲載させていただきますのでご覧ください。

富士ソフトからの転職先の中で、外資転職ドットコムの「外資IT研究特集」で紹介した企業もありますので、よろしければそちらも合わせてご覧ください。

外資ITの営業とエンジニアのお仕事

富士ソフトからの転職先として外資ITに興味を持たれた方に向けて、外資ITの営業職とエンジニア系職種について、簡単に紹介させていただきます。

外資ITと日系ITの営業職の違い

日系IT企業では、営業は主に事務処理を担い、お客様常駐SEが案件をコントロールするケースが多いですが、外資IT企業では営業がビジネスをドライブし、長期的な関係構築までが営業の役割です。

また、外資IT企業ではOTE(100%達成時想定される年収)の30~40%がインセンティブで占められ、残りの 60-70% が固定給となります。一方、日系IT企業ではインセンティブ制度があまり一般的ではありません。

また、外資IT企業では営業活動のメソッドが体系化されており、再現性の高い営業活動が求められます。

これに対して、日系企業では営業メソッドは現場のハウツー中心で、定量的な目標(KPI)があっても、行動量の目標設定が多いです。

外資ITのエンジニア職の特徴

外資系IT企業の日本オフィスは、ほとんどの場合、「日本の営業支店」という位置付けで、ほとんどの職種が「営業活動」を支援するための職種となっています。

エンジニアも同様で、営業活動をプロセス毎に分業していて、販売の前後で「プリセールス」、「ポストセールス」と違う呼び方をします。そして、それぞれの活動を支援するエンジニア職種が存在し、ほとんどのエンジニア向け求人が営業を支援するエンジニアの職種となっています。

プリセールスには、プリセールスエンジニア、ソリューションアーキテクト、ソリューションスペシャリストの3つの職種があり、それぞれが顧客との関係を重視しながら、技術的な知識や専門知識を活かして最適なソリューションを営業とともに提案する役割を担っています。

• プリセールスエンジニアは、技術的な専門知識と営業スキルを活かして、顧客に対して製品やサービスの価値を説明し、最適なソリューションを提案する役割を担っています。
• ソリューションアーキテクトは、ビジネスの要件と技術の両方を統合して、顧客に最適なソリューションを提供する役割を担っています。

外資ITのエンジニア職の特徴

外資系IT企業の日本オフィスは、ほとんどの場合、「日本の営業支店」という位置付けで、ほとんどの職種が「営業活動」を支援するための職種となっています。

エンジニアも同様で、営業活動をプロセス毎に分業していて、販売の前後で「プリセールス」、「ポストセールス」と違う呼び方をします。そして、それぞれの活動を支援するエンジニア職種が存在し、ほとんどのエンジニア向け求人が営業を支援するエンジニアの職種となっています。

プリセールスには、プリセールスエンジニア、ソリューションアーキテクト、ソリューションスペシャリストの3つの職種があり、それぞれが顧客との関係を重視しながら、技術的な知識や専門知識を活かして最適なソリューションを営業とともに提案する役割を担っています。

• プリセールスエンジニアは、技術的な専門知識と営業スキルを活かして、顧客に対して製品やサービスの価値を説明し、最適なソリューションを提案する役割を担っています。
• ソリューションアーキテクトは、ビジネスの要件と技術の両方を統合して、顧客に最適なソリューションを提供する役割を担っています。

ポストセールスには、テクニカルサポートエンジニア、テクニカルアカウントマネージャー、カスタマーサクセスマネージャー、プロフェッショナルサービスの4つの職種があり、それぞれが顧客の成功を支援し、企業のビジネス成果を追求する役割を果たしています。

このように、外資系IT企業のエンジニア職は、技術的な知識だけでなく、営業活動を支援する役割も重要で、プリセールスとポストセールスの両方で活躍する機会があります。

富士ソフトを辞めて、外資ITに挑戦したいけど不安・・・

日系企業から外資系へ転職することの心のハードルの高さは私も経験者なので理解しています。

真っ先によぎるのが「クビ」の話や「英語」の話、そしてやっぱり気になるのが「年収」の話。

外資転職ドットコムでは、私自身とアドバイザーの過去の経験を踏まえて「外資転職にチャレンジする前に知っていれば安心できたのに」という内容をまとめた記事がありますので、よろしければご覧ください。

具体的に、クビ、英語、年収について知りたい方はこちらもおすすめです。

年収交渉で損をしないためにも、富士ソフトなどの優良SIerからの外資IT転職は転職エージェントを使うことが必須！

外資系への転職で最も重要なプロセスの一つが「年収の交渉」です。

外資系で何度も転職を経験すると、年収交渉も自分でできるようになりますが、初めての転職ではなかなか難しいものです。

交渉を切り出すタイミングや話の持っていき方など、様々なノウハウがそこにはあるからです。

外資転職ドットコムでも年収交渉について紹介している記事はありますが、相当自信がない限りは、転職エージェントに任せるのがいいです。

特に、外資系企業と比較すると日系企業の年収はかなり低いので、交渉をしないと転職して入社した後に自分だけ周りと比較してかなり年収が低い、なんてことになりかねません。

外資系IT企業からするとSIer卒業生は喉から手が出るほど欲しい人材ですが、まずは低めの年収が提示されます。

そこから交渉ができずに入社してから後悔している人を私は何人も見てきたので、初めての外資転職は転職エージェントを使って戦略的に進めることを強くお勧めします。